2016年2月29日月曜日

革手袋を修理してみた


私の住む都市は、全国的にも「ケチ」で知られている。
私自身は途中まで関東で育ったので、地域の習慣に今ひとつ従いきれず、ケチと言ってもまだまだ初級レベルのケチだ。
周囲には上級レベルのケチがたくさん居る。私の仕事場など、上級レベルケチの巣窟だ。「捨てる物はない」ということを徹底して生きている人達の様は、ある意味あっぱれである。
そんな上級レベルの皆さんからは「まだまだ」と言われそうだけど、この前手袋修理に挑戦してみた。



今回修理したのはこれ。


随分昔に、頂き物の商品券で買った、ロエベの革手袋。長く使っているので手に馴染み、暖かく、雰囲気も上品で、とても気に入っている。
手袋はこれ一つしか持っていない。何度か他の物にトライするものの、これ以上のものはなかった、というくらいのお気に入り。

冬の間中、毎日使っているので、裏の生地が破れてきた。
甲部分の飾りも抜けてきて、なんだかベロベロみっともなくなっていた。
裏地が完全に破れて着けられなくなった左側を修理する事にした。

裏地の代りに綿の手袋。ドラッグストアで購入。
元々付いていた薄い生地の裏地にくらべてごっついが、仕方ない。

ボロボロの裏地を全て取り、綿の手袋の指の長さを少し切り縮めてサイズを合わせ、手首の所でまつり縫い。
多少針目は荒いが、気にしない。やることに意義がある。

右手はまだ裏地がしがみついているので、修理していない。左も修理前はこんな感じ。
飾りのひもが抜け始め、なんとなく形もくたっとしていた。

修理後の左手。裏地がしっかりしているせいか、形もきれいになった。
飾り紐は元々付いてた裏地を全部剥がした段階で、修理。
内側から糸で縫い止めた。
すっきりして、高級感が戻った。

今回使ったのは、ごく普通の木綿糸と綿手袋。
革がとても柔らかく、問題なく針が通せた。
裏地を剥がして革手袋本来の縫い目を見てみると、丁寧な針目で狂いなく縫ってあってしばし感動した。
裏地と手袋の接合部分は手縫い。細い糸と正確な針目できれいに仕上げてあった。私なんかが修理してごめんなさいというくらい、職人技は素晴らしい。

大事な物は大切に使い、丁寧に修理すればまた使える。
ケチと云われても構うもんか。


〈道具にこりだすときりがないので眺めて楽しむタイム〉

CLOVER 『錫 (スズ) 製』の裁縫道具 すずらんニードルケース 79-487
美しい錫の針入れ。刺さなければ、針は錆びないのかしらん。