2016年2月17日水曜日

自宅で最期を迎えた家族の送り方(5)オマケ・終末医療のこと


 祖母の死後、いろいろ調べて行くうちに、往診で治療をお願い出来る終末医療の医師のチームがあることを知った。今回はそのお話。



祖母には幸い持病がなかったので、亡くなるその日まで自宅で暮らしていた。
何度か救急搬送をされたことはあるが(転倒で怪我したり、熱中症だったり、原因はまちまち)入院には至らずに帰されたり、本人の意志で帰ってきたりしていた。

持病がある高齢者は、病院なり施設なり、医師が在籍する場所で亡くなるケースが多いだろう。
医師が死去に立ち会えば、死亡診断書を書いてもらえるので、そのまま葬儀の手配に入れる。
が、医師が立ち会わない場合は警察の検視が必要になる。
事件性を疑われなければ検視と行っても3〜4時間程度で終るが、亡くなった状況によっては解剖に回されたり、家族が詳しく事情を聞かれることになる。
実際経験してみると何てことはないが、状況によってはすんなりいかなくて、嫌な思いをすることもあるかもしれない。

自宅で亡くなった場合でも、元々終末医療に携わっている医師に定期的に往診をお願いし、死去の際にそのチームの医師に看取ってもらえれば(交代制で24時間対応してくれる)、警察を呼ぶ必要はないのだそうだ。
難しい法律の話はわからないが、医師が管理している状況下で療養し、亡くなった原因も経過も把握されていれば、病院での死去と同じ扱いになるということなのだろう。

高齢化で病院や施設に入る人が増え、医療費が増大していることからも、自宅で療養できる高齢者は自宅で暮らし、終末医療の専門のチームに治療を委ねるようにしようという動きは、少しずつ出てきている。

そういう、必要な往診を頼める医師のチームがあることをもっと情報発信されるべきだと思う。
うちの祖母は健康体だったが、私の知り合いの中には末期がんの家族が自宅で療養していたという人も居るし、体が不自由になってはいるけれど意識はしっかりしているから自宅で療養しながら家族と暮らしている人もいる。
そういう家族が、もしも家で最期を迎えたら、何をどうすれば良いのか、私も知らなかったし、おそらく私同様知らない人は多いだろう。
サポートされるとわかっていれば、多くの人が不安を捨て、穏やかな気持ちで療養に取り組めるようになるんじゃないかと思う。


家族の死は結講突然やってくる。
不思議なことに、人を弔うために動く時、自然に道は開けるものだ。世の中はそういう風に出来ている。

誰かが同じようなケースにあったとき、私の経験が役に立てば。