自宅で家族が亡くなった場合、どういう手続きを経て弔うのか、なかなか聞く機会がない。
私自身も実際に経験するまで知らないこともたくさんあった。
備えあれば憂いなし、何かの時に役に立つこともあるかもしれないので、昨夏に祖母が自宅で逝去した時のことをあげておく。
警察による検視と葬儀社の手配が終り、いよいよ葬儀へ。
今回は「一日葬」というのにした。
通常は通夜→葬儀式・告別式・出棺→火葬→初七日を二日かけて一度に済ませる。
以前の別の家族の葬儀の時は「一日葬」のプランはなく(概念すらなかった)通常の流れのパターンのみだった。
普通、通夜の後は近親者が、葬儀場内の用意された部屋で一晩過ごす。
布団もあるが、とても布団を敷いて寝られるような雰囲気でもないので、なんとなくグダグダと時間をつぶす(どんなときでも寝る奴は寝るが)。
危篤→逝去までほとんど寝ていない上に、昼間は手続き(役所への書類の提出、親戚への連絡、お寺の手配等)を手分けしてこなし、ヘロヘロの状態で通夜に突入する。
その後の葬儀やら火葬場やらはほぼ気力のみ、初七日に至ってはヘトヘトの中で座っている。
なので、「一日葬」はありがたかった。
勿論、本来の意味から言えば通夜を省略するのは良いことではないのでお寺さんには叱られるが、叱られてくれるのは葬儀屋さんなので(きっとプランの内だろう)施主は葬儀屋さんから伝え聞くだけ。
遺体を斎場に預かってもらって、家族は何も考えずに睡眠が取れる。
通夜がないだけで相当負担が減り、気力が戻った状態で葬儀にむかえる。
この「一日葬」を考えた人に心から感謝したいと思った。
一日葬の会場は小さな部屋が一つで、係の女性が一人付いた。
豪奢な部屋ではないが本来豪奢にするべきことでもないから問題無し。
葬儀を待つまで用意されたお茶を紙コップで飲み、お茶をのせるテーブル代わりに焼香台を使い、お棺に入れる花以外は造花、これは絶対ネタにしようと思ってむしろ味わいつつ経験させてもらった。
葬儀が始まる前に、係の女性から相続手続きのオプションプラン説明が簡単にあった。
相続手続きを扱う書司さんの紹介サービスで、これも以前にはなかった。
うちには財産はない、と言っても相続の手続きは必ずある。預金の名義の書き換えもそうだし、借金があればそれも引き継がないといけない。銀行の手続きは一つ間違えただけで窓口に呼び出される。それが何度もある。
そういう手続きの負担を軽減する書司さん紹介サービス(有料)のチラシをさりげなく喪主にわたす。そこに全く嫌みがない。むしろ気遣いかと思わせる控えめなアピール。葬儀屋さんはすごいと思った。
お経料の封筒も、葬儀屋さんが用意してくれていた。
至れり尽くせりのなかでお坊さんにお経をよんでいただき、出棺。
「霊柩車に乗れるのは二人だけなので後はタクシーか自分の車で」と言われたので、私が一人でタクシーに乗って火葬場へ向かった(プランには入ってないので、タクシー代は運転手さんに現金で払う)。
次回は火葬場編。