有名店じゃなくても構わないから、美味しいものをお値打ちにお腹いっぱい食べたい。「一人飯」「ソロ」とバカにされつつ勇気を出して入ってみれば、奇跡みたいに美味しいお店にめぐり合ったりする。
行きつけのお店が二軒ある。
どちらも仕事場の近くにある飲み屋さんで、夜の営業がメインだが、このご時世で夜の営業だけでは厳しいから、ランチ営業もして、夜の顧客を取り込もうとしている。
私はお酒を飲まないので、完全に昼のみの「嫌な客」なんだけど、どちらのお店も嫌な顔を見せず歓迎してくれる。
私の定義する「良いお店」は
「材料が良い→美味しい」
「ケチケチせずにお腹いっぱい食べさせてくれる」
「安い」
の三つを満たしたお店のことで、そんなバカなと言われるかもしれないが、そういう奇跡みたいなお店はなぜか存在する。
良い仕入れルートと素材を吟味する眼、「量が足りない」と言わせたくないプライド、お客さんが求める値段を実現させる努力。
すべてがバランスよく揃って安くて美味しいお店は成立っているのだと思う。
そういう「良いお店」のオーナーは例外なく頭がいい。
頭がいい分、手際も良いから、どんなに満員でも料理は一人で作れるし、その分人件費を削って少しでも利益を出す。
黙って食べてるお客さんをしっかり見ていて、2〜3回行けば覚えてくれる。少し慣れた頃お料理の感想をさりげなく尋ねる。「ふーん」と聞いていて、翌日からの料理に活かす。
商売人だから利益を考えない筈はないけど、お客さんが喜んでくれるのを見るのが嬉しいらしい。
わざわざ「美味しいです!」と言わなくても、しょっちゅう通っていれば「美味しいと思ってるんだな」とわかるし、静かに食べているお客さんにそっとサービスで一品二品オマケしたりする。
「良いお店」のオーナーは、やることも粋なのだ。
ただ、その分無粋なお客さんには容赦しない。
これだけ美味しくて安くてお腹いっぱい食べさせてくれれば文句ないだろ、というくらいのことをしてもらっていても、文句を言う人は文句を言う。文句を言わないと損みたいに言う。
そういうお客さんには、見たこともないくらい無愛想に言い返す。
それだけでは飽き足らないのか、入り口に「うちのやり方が気に入らないなら来るな」みたいなことまで書いてある。
結局、頑固なんだろうなぁ。…もしかして傷つきやすいのかな。
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