2016年2月4日木曜日

ゆっくり話す



歯医者さんに行った時、受付の女性と高齢の患者さんとの会話を聞いていて、面白いことに気づいた。
高齢の患者さんは耳が遠いらしく、体を前に傾けながら話をする。 その患者さんの耳の傍で、受付の女性は声を張り上げるでもなく、ただゆっくりと話していた。



私自身も、周囲に高齢者がいる。
80代半ば辺りから聞こえが悪くなるのか「はぁ?」と聞き返されることが増えた。大きな声で話すと、「悪いねぇ」という表情になる。
繰返し聞き返されると話が進まなくてこちらもイライラする。
歯医者さんでの会話を見た後、私もゆっくり話してみた。相手も少し安心した顔で聞くようになった。

落語家がゆっくり話すのは自信があるからで、早口なのは自信がないのだと談志さんが言っていた。
一分間に何文字くらいとか、アナウンサーと同じくらいの速度でとか言われてもピンと来ないから、落語家の速度を意識して話してみたらちょうど良かった。

話す速度一つで、聞いてる相手の表情は変わる。
ゆっくりした口調は、喋っている側の人間の心も落ち着かせるし、聞いてる相手も理解しやすいみたいだ。