本当は3と4(ゴースト・プロトコル)を一緒に書こうかなぁと思ってたんだけど(それくらい微妙な3)とりあえず重箱の隅をつついておこうと思う。
そろそろマンネリへの恐怖心が生まれ始める3を見た。
あの「ゴッドファーザー」ですら、3は「ただの番外編」と化していた。それほどシリーズものを新鮮かつ魅力的に作るのは難しいのだろうと思う。なのにトム君は頑張っている。今現在で5まである。
アホっぽいとか宗教でおかしくなったとか言われながらも、結果を出している所がすごい。50代で二枚目俳優の名をほしいままにしている。奥さんに逃げられたって王子様は負けていないのだ。
奥さんに逃げられたと言えば、トム君の2番目の奥さんだった、ニコール・キッドマンはすごい女性だと思う。
トム君と別れた後に結婚したキース・アーバンは日本ではあまり知られていないせいか某ゴシップ誌に「女王様とその従者」などとひどいことを書かれていたが、彼は彼で十分に有名なミュージシャンである。
元CCRのジョン・フォガティをして「音楽のモンスター」と言わしめ、演奏も歌もどちらもこなせる素晴らしい才能を持った人だが、残念なことにこの人のクスリの癖がなかなか治らない。(現在は更生していると言われているがさてはて)
ニコール・キッドマンのすごい所は、そういうキース・アーバンのことも、元夫のトム君のことも、一切悪く言わないことだ。
トム君の三番目の奥さんのケイティ・ホームズは「結婚後に老婆のように老けた」と言われ、トム君を責める言葉もチラホラと漏れ伝わって来るが、ニコラにはそれがない。彼女は美しくあり続け(ボトックスはやったそうだが)、過去を振りかえらない。同性から見て、素晴らしいと思える女優さんである。
この映画で悪徳商人のディヴィアンを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンは、この映画の四年前に作られた「レッド・ドラゴン」でゴシップ系の新聞記者を演じていた。
書いた記事が元で殺人犯のフランシスに恨まれ、ひどい殺され方をするという損な役回りの記者の役だったのだけれど、その時の記者フレディが不快極まりない人物で、それを不快極まりなく演じていて、強く印象に残っていた。
今回も顔色一つ変えずに残酷なことをするという嫌な役だが、相変わらず迷いも媚びも無く悪役を演じ切っていた。
今回のディヴィアンも「レッド・ドラゴン」の記者フレディも悪役ながら立場はまったく違う。フレディはいかにもさえないゴシップ記者だったが、ディヴィアンは悪徳商売ながら金持ちのビジネスマンだ。
憎々しげに演じながらも、やはりまとう空気は違っている。フレディは記者にしか見えなかったし、ディヴィアンは金持ちにしか見えない。
こういう似てるけど違う役をさらっとこなす俳優さんはすごいなぁと思った。
なんか映画の中でトム君もいろいろと活躍していたようだが、全部忘れた。
さぁ、次を見よう。