2016年6月25日土曜日
映画「メン・イン・ブラック」を見た
映画のジャケットがシリアスっぽかったので完全にだまされた。
都市伝説と大嘘ゴシップと冗談をつなげて作られたおバカコメディだった。
一応はSFだそうだが、宇宙が云々と言ってる割にSFっぽさが全然ない。これがSFならばウルトラマンもSFだなぁと思わせるくらい、徹底的に地上基準のSF映画だった。
オカルトはお国柄が出るもので、日本の心霊写真は「集団の後ろの方にぼんやりとした人影があってこちらを見ている」とか「手の数があわない」とか「何かを訴えかけている系」が多い。
海外のオカルトニュースで見る心霊写真は「窓に手が写ってる」とか「この屋敷に住んでいた女の子の幽霊が激写された」とか、「そこに住んでる幽霊がたまたま写り込んじゃった系」が多い気がする。
「お化け見た!」と言うのでも、日本のそれは何らか感情的なしこりを感じさせる場合が多いのだが、欧米人の私の知り合いが見たという幽霊は「その辺に普通に暮らしていた」そうで、感情が絡んでいる様子がない。
同じものを見て別の解釈が生まれるなら元が別なんじゃないかと私は思うんだけど、そういう無粋なことを言わず「ゴシップは真実なんだよ!」という裏側目線で作ったらこうなった、というのが「メン・イン・ブラック」なんだと思う。
話の都合上、ゴキブリが出てくるシーンが多いのだが、このゴキブリの動作がえらく緩慢で、私の知っているゴキブリの機敏さから考えると同じゴキブリとは思えない。
ただ、ゴキブリは4000種類も存在し、そのうち日本に住んでいるのは50種くらい、家の中で見かけるのはその内のほんの少しだそうなので、おそらく緩慢に動く奴らも居るんだろうと思うことで納得した。
この映画に出てくる宇宙人はほとんどCGで作られている。CGで作った化け物は精巧に作られた感じがして良いんだけど、人間くささがまったくない。
ウルトラマンをこよなく愛し、登場する宇宙人を一つ一つ覚えた世代から見ると、悪役でも憎めない着ぐるみ宇宙人に懐かしさを覚える。
「ツインテールの中はどうなってるんだろう?」とか「あれはラジコンじゃないのか」という疑問が、子供の智力を育て、工夫を生む土台になると私は頑に信じている。
作り物宇宙人にも感情を求める日本人と、ドライにCGで化け物を作っておけばいいじゃんというアメリカ人の違いが、なんちゃってSF映画にも表れているのが興味深い。