2016年6月28日火曜日

映画「裏切りのサーカス」を見た








裏切りのサーカス (字幕版)
これを見た。




Amazonの「プライムおすすめビデオ」のリストの中にいつも入ってる気持ち悪いジャケットの映画だなぁとずっと思っていたんだけど、レビューを見たら「良い!!」ばっかりだったので見てみた。

前知識無しだったので、向かって左のメガネは変質者、後は上から「良いモン」「かっこつけ」「無口」「ヒロイン」「さすらい」かな、と勝手に決めつけていた。

サーカス団は世を忍ぶ仮の姿で、世界中を回りメガネの変質者の命令で悪さをし、
「俺はこんなことするためにサーカスに入ったんじゃねぇ!」
「そうよ!ここから逃げ出すのよ!」
というドラマかな、と勝手に思っていた(妄想)。全然違った。


サーカスというのは英国情報部のことで、メガネの変質者はこの映画でもっともまともな元情報部員、右の上からホモ、ホモ、2人とんでホモ、というものすごい世界が炸裂している作品だった。


私は異性愛者なのでゲイの皆さんの気もちはよくわからない。
周囲にはゲイが何人か居るけれど、直接の友達ではなく友達の友達だから、心を割って話し合ったことはない。
故にこの映画がホモホモしいというのは「一緒に暮らしている2人」とか「目が合うと微笑み合う2人」という具体的な映像でなんとなくわかるくらいで、それ以上のことはわからなかった。
いろんな方が独自に書かれているレビューを読むと、この作品全体に男色の香りがプンプンするそうだが、そういう見方をすると私には全然面白くなくなるので、あえて普通に見た。


英国情報部が舞台になっている所からもわかるように、この映画はイギリスの映画だ。
情報部と言ってもジェームス・ボンドばりのアクションはなく、うちの父と良い勝負のコートを来たサラリーマン風の元スパイとか、蝶ネクタイにスーツの情報部員とか、どこにでもいるおじさんたちが淡々と喋りその中にドラマがある、という静かな映画である。

四人の怪しい情報部員が居て、その背後を探って行くというのがこの映画の流れなんだけど、その怪しい四人の名前が「ヘイドン」「ブランド」「エスタヘイス」「アレリン」という覚えきれない変な名前で、しかも各々にコードがつけられているから訳がわからない。

無理に謎解きをしようとせず、メガネの元情報部員スマイリーが推理していくからそれををふんふんと聞いて理解していくほうが、この映画の抑えた情感やカメラワークを味わえて良いかもしれないと思った。


文学と同じで「良い映画」というのはたいてい暗い。静かに始まり、淡々と進み、静かに終る。ヨーロッパの映画は特にそういう傾向が強いと思う。そういう意味でこの映画は玄人好みかも。素人の私には暗すぎて気が滅入りそうになった。次は明るいのを見たいなぁ。