映画 「レッド・オクトーバーを追え」でスーパー天然野郎っぷりが際立っていたCIA分析官、ジャック・ライアン博士(演じていたのはアレック・ボールドウィン)。
その続編の「パトリオット・ゲーム」は見ていないが、「パトリオット・ゲーム」の後に作られた「今そこにある危機」を見た。
学窮肌だったジャック・ライアンが、まるっきり別人のようなタフガイに変身していた。
レッド・オクトーバーから4年。キラキラした瞳と周囲を気にしない天然っぷり、つかみ所のないマイペースな性格が印象的だったCIA分析官ジャックは、無口で怜悧で工作員ばりのアクションを見せるタフガイなジャックになっていた。
人が変わったようだ。
今そこにある危機 (字幕版)
工作員に転職したライアン博士(嘘)。
「今そこにある危機」でジャックを演じたのはハリソン・フォード。
レッド・オクトーバーはヒューマンドラマだったけど、本作はどちらかと言うとアクションドラマになっている。
前作ではヘロヘロになりながら戦闘機に乗り、極寒の海の中に放り落とされ、キラリと光る知性とカンの良さを見せていたジャックが、本作ではスタントマンばりのドライビングテクニックを見せるわ、飛んでるヘリコプターに飛びつきよじ上るわ、トタン屋根を蹴破って秘密アジトから脱出するわ、顔も性格も別人に変貌していた。
原作では最終的に合衆国大統領にまでなるそうだから、もうなにが来てもおかしくない。
この作品が作られたのは1994年で、今から22年前だ。
22年の歳月を感じさせるのは劇中に出てくるコンピュータ。何しろ記憶媒体がフロッピーである。
私の周囲では「パソコン通信」と呼ばれていた時代だったと思う。モニタも箱形で、フォントもいわゆるコンピューター文字。たぶん、今とは比較にならないほどの低スペックで、高価なものだったんだろう。
劇中に出てくるモイラという女性がシステム手帳を使っている場面があるが、これも今ならスマホだろう。
大きな機械の今昔の差はまるっきりわからないが、携帯電話とかコンピュータなんかの小物や通信手段はもろに時代が出る。
そういう重箱の隅をつつくような見方をして時代の変化を鑑みるのも、映画の楽しみだ。(嫌な性格)
この次の続編「トータル・フィアーズ」でジャックを演じたのはベン・アフレックだそうで、顔も設定も何もかも別物になっているであろうことは、想像に難くない。
まだ見ていないし今の所見る予定はないが、なんだか見たいような見たくないような…。