クリント・イーストウッドの当たり役であり、アウトロー刑事の代名詞でもある「ダーティーハリー」シリーズ。そのシリーズ第1作目と、現在出ている中では最終作の5を見た。1から5へ飛んだ理由は「目に留まった順」。
「ダーティーハリー」の1は1971年作、5は1988年作で、実に17年の時間が経っている。
クリントさんは1では41歳だった。カミソリのような視線の若めなハリーだ。
1のハリー・キャラハンは「上司の言うことはまず聞かない」というハリーらしいハリーで、笑顔も見せないほどのミニマルっぷりだが、さすがに5では年と共に丸くなったのか、しばしば笑顔も見せるし、同僚や部下にも優しくなっている。
もっとも私の世代から見ると5の頃の方が馴染みがあるので、逆に1のハリーがとても新鮮だった。
私はアクション映画は大好きだが、クリント・イーストウッドという人のことは良く知らなかった。(だいたい西部劇を見ない)
中学の時、同級生のH美がクリント・イーストウッドの大ファンで、「かっこいいからぜひ見ろ」と言う。
私の年代から見たら、クリント・イーストウッドは大概おっさんである。
当時は、マイケル・J・フォックスとか、トム・クルーズ、チャーリー・シーン、アクションならシルベスタ・スタローンかアーノルド・シュワルツネッガーというのが普通だった。
それがクリント・イーストウッド。
まるで興味はなかったがうるさいので見た。それが私とクリント・イーストウッドの出会いだった。
ちなみに彼女は柴田恭平と山口百恵のファンでもあった。
柴田さんはともかく、山口百恵はとっくに引退していた頃なのに、百恵ちゃん百恵ちゃんと騒いでいた。変わった奴である。
「ダーティーハリー」の5は有名人てんこ盛りだ。
ハリーの相手役でジャーナリストのサマンサを演じたのは、アンタッチャブルでケビン・コスナーの奥さんを演じたパトリシア・クラークソン。
冒頭で早々に殺されるロックスター、ジョニーを演じたのはジム・キャリーだ。
どこかで見た顔の人が、どこかで聞いたことのある歌をバックにして踊ってると思って見ていたら、踊ってたのはジム・キャリーで、歌われていた歌はガンズ・アンド・ローゼスの「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」だった。
ジム・キャリーの顔と、アクセル・ローズの声がまるっきりあってないと私は思うのだが、余計なお世話か。
本当かどうかは知らないが、「ダーティーハリー5」にはガンズ・アンド・ローゼズのメンバーがノン・クレジットで出演していたそうだ。どこで出ていたのかはさっぱりわからないが、暇つぶしに探してみるのも良いかも知れない。
ガンズ・アンド・ローゼズ ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル
細くて格好良かった頃のアクセルが拝める。
「ダーティーハリー」の1も5も犯人は常人ではなく異常者である。
動機もヘチマもないから全部見て行っても「それで何」ということもないのだが、ハードボイルドはそんなもんなのかも知れない。
そういえば、シルベスタ・スタローンが主演した「コブラ」は「ダーティーハリー」1へのオマージュだそうで、「ダーティーハリー」でハリーの相棒チコを演じたレニ・サントーニが「コブラ」ではコブラ(スタローン)の相棒トニーを、「ダーティハリー」で犯人役のスコルピオを演じたアンディ・ロビンソンが「コブラ」では嫌みな刑事を演じている。
「コブラ」自体はそう面白くもない映画だが(好きだけどね)、「ダーティーハリー」で熱演していたメンバーが見れるので、「何が違うか」を考えながら「コブラ」を見るのも面白いかも知れない。