2016年7月15日金曜日
映画「ビバリーヒルズ・コップ3」を見た
「ビバリーヒルズ・コップ」の1と2は大ヒットして主演のエディ・マーフィーをスターに押し上げたけれど、「ビバリーヒルズ・コップ3」は当のエディが「駄作」と言うほどひどい出来だったと言われている。
主演した当人が「駄作」というならそうに違いないんだろうが、果して本当に駄作だったんだろうか。
ビバリーヒルズ・コップ3 (字幕版)
おそらく誰が見ても思うのは、アクセル(エディ・マーフィー)が妙にこざっぱりし過ぎて、1や2で見せたギラギラした開き直りオーラが感じられなくなったということだろう。
代わりに別のもので「おぉ!」と思わせてくれるものがあれば良かったんだけど、前作までに陰に陽にサポートして来たタガードもボゴミルも居ないし、アクションもどことなく中途半端だし、何となく肩すかしを食らった感は否めない。
ただわりとギャグは面白くて、シリーズものの余裕みたいなものは感じられた。
全体的に緩い空気が覆っていたから、遊園地で遊具(スパイダー)に乗った子供を助ける場面みたいな作り物っぽいシーンは、いっそ有り得ないほどギャグにしてしまえば良かったのにと思った。
1でアクセルの幼なじみが経営している画廊のスタッフだったセルジュが、本作では防犯グッズ屋として登場する。
微妙な英語とカマっぽい雰囲気が実にナチュラルで異国情緒を感じさせるが、この人はバリバリのアメリカ人だ。
アクセルの相棒のビリーも「変り者の白人」という立ち位置では同じだけれども、ビリーは行動が微妙、セルジュは存在が微妙という違いがあって、不思議とかぶらない。
セルジュを演じたブロンソン・ピンチョットは実はかなりの美形でもある。(今は少し太ってしまったが)
ワンダーワールドでアクセルが逃げ回っている途中、着ぐるみキャラクターのショーに迷い込んでしまい、仕方なく満面の笑みを浮べて一緒に踊り、さりげなく脱出するというシーンがある。
本編の筋には何の関係もない、ごく短い場面なのだが、私にはとても印象的だった。
エディ・マーフィは元はスタンダップ・コメディアンをしていた人で、映画俳優としても活躍しているが、ステージでのライブも彼の活躍の場の一つでもある。
こういう小さなステージで、バカバカしい仕草を完璧にこなし、さりげなく笑わせるという彼の技術が、このシーンを見ていると垣間見られる。
中途半端なアクションを盛り込むよりも、彼の芸達者な面を強調した方が、彼の良さがより引き立つんじゃないかと思うんだけどどうだろう?