2016年7月4日月曜日

映画「アルティメット」と「アルティメット2 マッスル・ネバー・ダイ」を見た





アルティメット (字幕版)

アルティメット2 マッスル・ネバー・ダイ (字幕版)

これとこれ。ジャケットのデザインは良いのに面白そうな感じがしないのはなぜ。



私はこの映画の存在を全然知らなかった。
元々興味もなかったのだが、レビューを見てたら「良い!」という声が高かったので(特に1)、見る事にした。


舞台はフランス、パリ郊外のバンリュー13というとんでもなく治安が悪い地区で生まれ育ったレイトという青年が、敏腕警察官ダミアンに頼まれ(彼の自己紹介を聞くと軍人みたいだけど、サツということになっている。フランスの軍と警察の関係がよくわからない)、バンリューに潜入するダミアンの任務の手助けをする、というお話だ。

話だけ聞くと「刑事ものかな?」と思うけど、この映画の場合、筋書きは二の次で、見せ場は「パルクール」と呼ばれるアクロバティックなパフォーマンスと、カンフーを下地にした格闘シーンだ。

主人公のダミアンを演じたシリル・ラファエリとレイトを演じたダビッド・ベルの2人は本物のスタントマンなので、俳優さんが演じたアクション映画というより、スタントマンが主役を演じた映画に近い。

パルクールの流れるような柔らかい動きがとても美しく、アクションというよりダンスを見ているようだと思った。


ダミアン役のシリルは元々サーカスで活躍していたそうで(こっちは本物!)、まさに「魅せるアクション」である。
自分だけが目立つのではなく、敵役の動きも含めてアクションが組み立てられていて、「すごーい」と拍手したくなるような素晴らしさだ。

私の知ってるミュージカル俳優さんもそうだけど(彼はアクションは出来ないが)、ショービジネスの世界の人ってどこか動きがオカマっぽい感じがする。
1ではあまり感じないが、2の「マッスル・ネバー・ダイ」では屈強なギャングのリーダーたちがわんさか出て来るせいか、余計にシリルの繊細な動きがオカマっぽく見えて仕方がなかった。(褒めてるんです)


2は1より面白くないという評価が多いみたいだけど、私は2も十分に楽しんだ。2は筋が複雑でアクションが少ないと言う意見が散見されるが、2の話が複雑というより、1にストーリーが無さ過ぎるだけだ。
話の筋はソープオペラチックではあるけれど、筋肉系に文学的な筋書きはいらない。正義と友情と筋肉がいっぱいのソーピーな世界の方が、バランスが取れていて良い。


どうでも良いけど、劇中でレイトとダミアンが内緒話をするシーンがしばしばあるのだけれど、「抜け道の場所はどこだ」とか明らかに聞かれちゃまずい内容の話を見張りの目の前で堂々としているというところにフランス映画の適当っぷりを見た。思わず「聞こえるよ!」と教えてあげたくなった。
フランス人が大雑把なのか、フランスの見張りは耳が遠いのか、どっちだろう?