2016年8月15日月曜日

映画「デンジャラス・ビューティー2」を見た



ずいぶん前に映画館で「デンジャラス・ビューティー」を見た。

当時、仕事の休みの日が映画館のレディースディだったので(1000円で見れた)、毎週のように映画館に通い、タイトルとポスターを見てピンと来た作品を見まくっていた。(今とそう変わらない)
その頃に「デンジャラス・ビューティー」を見た。

いつの間にか「デンジャラス・ビューティー2」という続編が出ていたそうで(11年前)、Amazonで発見したので見てしまった。




この作品は、女らしさが皆無のFBI捜査官グレイシーが、捜査のためにピカピカの美女に磨き上げられ、勇敢に戦いながら事件を未然に防いで終るという、まことにわかりやすいお話だ。
中味と外見のギャップを笑いつつ、「女は中味か外見か」という永遠のテーマを頭の隅で考えながら、最終的には「あるがままで良い」という価値観に終る。
アメリカ的だ。" Be yourself "である。


ピカピカの美女にされる女らしくない捜査官グレイシーをサンドラ・ブロックが演じている。
美女にならない筈がないくらい美しい女優さんだが、陽気でコメディエンヌのような雰囲気があるので、まるっきりイヤミ無く「本当は美女だけどブスとして生きているグレイシー」になっている。


1ではサンドラ演ずるグレイシーが、ミスコン用のダンスのレッスンをヘタそうにやっていたが、2ではティナ・ターナーのそっくりさんのバックダンサーとして再びダンスを披露している。何気なく踊ってるけど結構うまい。

何をするにせよ、上手な人達の中で見れる程度にヘタっぽくするのは結講難しい。本当にヘタだと見れたモノじゃなくなってしまうからだ。「ゴッド・ファーザー3」で実証済みである。

イヤミ無く汚れ役も出来てビッグスマイルをヘーチャラで見せる辺り、ただの美人女優だけではないこの人の蓄積の多さを垣間見る気がする。ダンスもまた然りである。


1も2もグレイシー(サンドラ・ブロック)を美女に仕立て上げるための美容アドバイザーが登場するのだけど、これが大抵オカマチックな話し方の美意識の塊みたいな男性と相場が決まっている。

どうでも良いけど、洋画に出てくる「ものすごいおしゃれでオカマチックな男性」はたいていスーツはパステルカラーで、ピンクとかクリームに近いベージュとか、優しげな色をさりげなく着こなしている。

対してマフィアや刑事は、同じおしゃれさんでも少し濃いめのベージュとかブラウン、少しひねってパープルとかバーガンディが多い。

前者は優しげな口調で毒舌、後者は鋭い口調で恫喝。ステレオタイプな人間像でもって偏見を助長すると言えなくもないが、「人は人を見かけで判断する」というのもまた真理である。

映像っていうのは多分に人の偏見を利用して作られているんだなぁと変な所で感心した。


1の美容アドバイザー、ビクターを演じていたのはマイケル・ケインだ。この人は演技力があるのに全然仕事を選ばず、条件さえあえば「何でもやる」ことで有名だが、私の中では「オースティン・パワーズ ゴールドメンバー」でオースティンのお父さんのナイジェル・パワーズを演じていたのが印象深い。

2では専属スタイリストとしてジョエルという男性が付く。ディードリック・ベーダーという俳優さんで、サンローランメガネが印象的だ。1のビクターほど毒舌ではなく、サンドラと一緒にビッグバードのような衣装を着てステージでダンスまで披露してくれる。

ただ、私は思う。本物のおねぇなおっさんたちの毒舌っぷりはこんな優しいものではない、と。

ティム・ガン この人に怒られたら裸足で逃げ出す


グレイシーとケンカしながらも彼女の護衛に当たる捜査員フラーが、行きがかりで出てしまったステージで、ティナ・ターナーのマネをするシーンがある。歌うのは「プラウド・メアリー」だ。

この歌を作ったご当人が「ティナ・ターナーで有名になった」みたいなことを言っていたような覚えがあるが、これは元々クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルというバンドのジョン・フォガティが作った、CCRの代表曲の一つである。

ティナも良いけど、私はジョン・フォガティの方がシンプルで好きなので、リンクをのせておく。ご興味のある方はどうぞ。


CCR プラウド・メアリー